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田代本線の探索もあらかた終了し次はどこに行こうかと思っていると、毎度毎度参考にさせていただいているオブローディングサイト「山さ行がねが」に衝撃の情報が掲載されました。

(ヅウタ隧道について)上だけ20cmくらい開いている北口坑口と思われる穴を見つけました。

なんですと!?
なにしろ南口さえ水没寸前の隧道です。林鉄隧道はその特性上終点に向かって上っていく片勾配となるはずで、起点側の北口はもっと標高が低いはず。ダム湖に沈んでいてもおかしくありません。これはなんとしてでも調査せねば…。

ところが、その記事で紹介しているのは南口を再訪したところまでで、肝心の北口探索の模様については当記事の公開現在(2018/11/08)においても掲載されていません。 我々は探索の前に北口の位置を擬定しておく必要が生じたのです(もちろん、これは新たな発見をする際には欠かせない過程であり、もっとも高揚する場面でもあります)。

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これまでに存在が知られている田代第一隧道が掲載された地図は、ヨッキ氏が一次探索後に提供を受けたという、いわゆる"第三者の地図"だけです。この地図では南口がヘアピンカーブの頂点近くにありAの谷に向かっているのですが、実は実際の南口はもう少し上流寄り。
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そうなると、北口はAの谷ではなくBの谷に存在すると考えたほうが自然です。さらに、これを裏付ける証拠もあります。
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第二次探索【その0】にて、ダム建設に伴って各種用水路や林道が整備されたことを紹介しました。そちらではヅウタ用水を挙げて林鉄隧道を転用したのではないかと述べましたが、隧道南口の位置を見るにむしろ片倉用水の方が林鉄隧道の転用と見えます。そしてその片倉用水が向かっている先こそがBの谷なのです。

目的地が決まればルート選定に入るわけですが、こちらも第二次探索で得た情報を活用しました。
県道からヅウタ親水公園内を進んで尾根付近へ登り、延々付かず離れずの距離を保ったまま坪井沢右岸へと向かう林道1号。この坪井沢側終端は明らかにヅウタ橋の位置を示しています。さらに、第二次探索でヅウタ親水公園を訪れた際、河岸から山中へ向かう遊歩道の存在を確認しており、そちらは県道側末端部の転用に違いありません。つまり、尾根付近に林道由来の遊歩道が整備されている可能性が高いのです。
遊歩道といえば第四次探索で私たちを苦しめた関東ふれあいの道が思い出されますが、別々に整備されたものですし、道がないのに比べればマシでしょう。

目的地もルートも決まったところでさっそく笹川湖畔へ向かいます。
(探索日:2018/11/03)


※なお、今回もいつもの通りリレー記事となっておりますが、諸般の事情により三島氏が【その1】,【その2】および【番外編】を執筆します。私は【その0】のみの担当となります。


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いつものようにカピーナ号で君津ふるさと物産館へ。第三次探索と同じく行程が短いので、千葉駅9:05発の第二便でやってきています。
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お昼も近いのでミニストップのホットスナックはひとまずパス。おにぎり、飲料のみの購入にとどめ、いつも通り市道下川衛士線を進んでいきます。

<11:00>
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さて、ヅウタ親水公園からのびる林道1号をアプローチに使うと言っておきながら下川衛士線を歩いてきたのには理由があります。
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毎回横目に見ていた展望台へ続く遊歩道。調べてみると林道1号(由来の遊歩道)と繋がっているようでしたし、ヅウタ親水公園側からアクセスするより勾配が緩いようだったこともあってこちらのルートを選んでみました。
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右手には君津衛星管制所の敷地が広がっているのでフェンスが続いています。
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事前の調べ通り道自体は緩いのですが、足元には見慣れた擬木の階段が。三島氏などは早くもこの道は嫌だと言い始めています笑
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歩いて5分ほどで分岐が現れました。展望台への階段は左手の岩盤の上に続いていますから、正面に登っていく階段は林道1号でしょう。
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そのまま進んでもよかったのですが、せっかくだったので展望台へ。行くと決めたはいいものの凄まじい量の階段ですね…。

<11:07>
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けっこう体力を消耗してしまいましたが展望台にたどり着きました。
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展望台の目印である黄色いハンカチの横断幕が落ちてしまっているのは大丈夫なのでしょうか…。
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とはいえ眼下を眺めてみればダム湖まわりを一望できます。何か成果が得られるわけではありませんが、これまでの探索を振り返ってなんだか達成感を覚えます。
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小坪井沢方面に目をやると、奥に第一次探索で帰還時に迷い込んでしまった(大嘘)メガソーラー施設が見えました。なお、手前には林道1号の行く先であるヅウタ橋。時間に余裕があればこちら経由で帰ってみたいですね。

<11:14>
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展望台で軽く装備を整え、さっそく林道1号に入っていきます。
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と、さっそく行き止まりを示す看板が。分岐地点に階段があった以上、遊歩道として整備されたのは間違いないのでしょうが、現役の道ではないようで楽には進めなさそうです。
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初っ端から心を打ち砕くように急斜面が続きます。幸か不幸か擬木コンクリの階段もありません。
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小坪井探索では3度目のチェーン。階段が整備されているようにチェーンを使わずとも登れるような箇所なのですが、やはりチェーンが登場したという事実に恐ろしさを感じずにはいられません。
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少し歩くと立入禁止の看板が出てきました。200m先行き止まりというのはここのことなのでしょうか?
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理由が明示されていないとはいえ立入禁止の看板を越えるのは気がひけるのでどうしようかと右に目を転じてみると、衛星管制所のフェンス沿いに斜面が緩くなっていました。こちらを進んでみることにします。
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ここまでフェンスに助けられつつやってきましたが、頼ってばかりもいられなさそうです。いわゆる馬の背区間だけに上からの落石が原因というわけではないようですし。
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記念館で見つけた地図では斜面をトラバースするように描かれていた林道1号ですが、実際には忠実に尾根を辿っているようです。崩落で埋もれるor欠落するといったことがないのは嬉しいのですが、アップダウンが大きくなるのは勘弁してくれという感じです。サミットまわりでトラバースしてくれるといいのですが…。


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なんか看板あるぞ…?
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ひっくり返してみると「これより先、未整備につき立入禁止」とありました。ひしひしと感じていたことではありますが、ここまでは一度遊歩道として整備されたようです。
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先ほどの看板通り擬木階段などは姿を消しました。とはいえ、今でも時折ダム管理者が行き来するのでしょうし、思いのほか劇的な道の悪化はありません。
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そういえばそろそろ導入部で触れたBの谷の源頭部なのですが、一向に下れそうな地点がありません。決死の滑落の再来を招かぬよう(今回は登り直す必要があるのでなおさらです)、ひとまずダム湖の手前でBの谷と合流するはずのCの谷へと向かってみます。もしダム湖のウォーターバックが想像以上に広く、出合が水没していたら…その時はまた考えましょう。

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そう思って斜面を登り始めると、ピンク色の昆虫を発見しました。調べてみるとオオセンチコガネという北海道から九州まで日本に広く見られるコガネムシの一種だそう。糞虫(動物の糞を主食とする昆虫)で森の浄化機能に一役買っているとのことです。


<11:55>
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今日何度目かのサミットに着いてみると、小さな祠が待ち構えていました。
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側面の記載によれば、東京共栄林産商会が昭和12年(1937年)に設置したものとのこと。小坪井軌道ありし日にこのあたりに出入りしていた業者が平穏を願って設置したものなのでしょう。行程の都合上いつもお参りしていた地蔵尊に行けないこともあって我々も手を合わせます。
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祠から下る道には岩を削った階段がはっきりと見てとれました。(振り返って撮影)


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案内標識!?
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ベンチ!?
なんと未整備であるはずの区間で立派な案内標識とベンチを発見してしまいました。やはり、林道1号全体が一度は遊歩道として整備されたのでしょうか。それにしても先ほどの祠、山の神って名前つけられてるんですね…。

<11:59>
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ふと気付けばもうCの谷の上部。そろそろ谷に下りたいですね。


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